くらしに自然をたくみに採り入れ、芸術の中で自然をさまざまに表現してきた京都の人びと。季節ごとの行事を重んじ、大切に伝えてきた京の二十四節気を、国立京都近代美術館所蔵の名品でたどる。「残雪」(秋野不矩)、「桜蝶図平皿」(並河靖之)、「夜桜之図」(村上華岳)、「螺鈿瓜形棗」(黒田辰秋)、「虹を見る」(上村松園)をはじめとする約350点を掲載。コンコンチキチン、コンチキチン——7月に入ってこの特徴的な囃子の音が四条界隈に響き出すと、祇園祭の幕開けです。平安時代から疫病退散を祈るために行われている八坂神社の祭礼で、一ヶ月にわたってさまざまな神事が執り行われます。(晩夏より 文・筧菜奈子)